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4. フォント関連の設定

4.1 pk フォントの作成

pTeX のインストールをしたところで、 METAFONT のシステムも一揃い入っ ているはずですから、これを用いれば各 pk フォントを作ることができます。 DVI ドライバによっては pk フォントを自動生成する仕組みになっていますが、 それでも良く使うものは一気に作ってしまっておく方が良いでしょう。

実際に私が作業するにあたり、非常に重宝したパッケージが ftp://akagi.ms.u-tokyo.ac.jp/pub/TeX/font/makefont.tar.gz です。以下、これを使うものとして話を進めます。

  1. まず適当なディレクトリに展開します。
    % mkdir makefont; cd makefont
    % zcat (somewhere)/makefont.tar.gz | tar xf -
    
  2. /usr/local/lib/texmf/mf/modes.mf を見て、自分の使うプリ ンタに適したエントリを選びます。私の場合 360DPI の Epson MJ-700V2C には bjtenex を、 300DPI の HP LaserJet IIIp には cx を選び ました。
  3. フォントの選択パターンは数種類あり、それぞれに応じてシェルスクリ プトがありますが、とりあえず latex2e 向けのものを利用すると良いと思い ます。
    % ./latex2e.sh bjtenex
    
    のように実行すると、 360DPI 向けの各種フォントが実行ディレクトリに作成 されます。

後はこれをどこに置くかです。各 METAFONT ソースに対応したディレ クトリに置く、というのも一つの考え方です。私は一気にできてしまったもの をまた分配するのが面倒だったのと、 pk フォントを Win95 マシンや 他の Linux ホストで共有したかったため、 /usr/share/fonts/pk/pk300//usr/share/fonts/pk/pk360/ というディレクトリにまとめて置 き、/usr/share/fonts 以下を NFS や samba で公開しています。

この際、フォントのサーチパスがデフォルトと変るので、 /usr/lcoal/lib/texmf/web2c/texmf.cnf ファイルに変更が必要にな ります。具体的には PKFONTS のエントリを


PKFONTS = .:$TEXMF/fonts//pk/$MAKETEX_MODE:/usr/share/fonts/pk//

のように書き換えました。

また pTeX 2.1.4 では /usr/local/lib/texmf/ls-R をいうファイルを作っておくと各種ファ イルの検索が高速になります。これは

# cd /usr/local/lib/texmf
# ls -LR /usr/local/lib/texmf /usr/share/fonts/pk > ls-R
のように作成します。( L はシンボリックリンクの先をたどるオプショ ンです)。

4.2 VFlib と TrueType フォントのインストール

VFlib は TeX、 PostScript などの文書で日本語を統一的に扱うためのライブ ラリパッケージで、広島大の角川先生が作業をしておられます。日本語化 xdvi、 dvi2ps-j などで利用されています。最近の JE にも入っていたはずで すが、とりあえず以下のようにしても作れます。

一次配布元は ftp://gull.se.hiroshima-u.ac.jp/pub/VFlib/ です。ミラーされているところも多いと思います。

を入手します。

  1. ソースを展開し、パッチ当てします。
    % zcat VFlib-2.22.tar.gz | tar xf -
    % cd VFlib-2.22/tools
    % uudecode ../../VFlib-2.22.PATCH-1
    % zcat ktestdiff.tar.gz | tar xf -
    % patch -p < Imakefile.diff
    % patch -p < ktest.diff
    % cd ../src
    % patch -p < ../../VFlib-2.22.PATCH-2
    % patch -p < ../../VFlib-2.22.PATCH-3
    % cd ..
    % uudecode ../../VFlib-2.22-PATCH-4.updated
    % zcat VF_FNTWV.patch.gz | patch -p1
    
    ふぅ :-)、これで終わりです。 インストールマニュアルは TeX で記述されているのですが、 Web 版のマニュアル もあります。
  2. src/Makefile を編集します。このあたりは好みの別れるとこ ろですが... 私は以下の二点を変更しました。
  3. src ディレクトリに入って以下の作業を行います。
    % make
    % su
    # make install
    
  4. ここで Win95 の TrueType フォントを Linux から見える位置に移動し ます。 Win95 の c:\windows\fonts\ ディレクトリ ( hidden 属性になっているので注意)にある msmincho.ttcmsgothic.ttc を例えば /usr/share/fonts/TrueType/ のよう なディレクトリにコピーします。
  5. インデックス用のファイルを作ります。
    # cd /usr/share/fonts/TrueType
    # ttindex msmincho.ttc
    # ttindex msgothic.ttc
    
  6. /etc/vfontcap を編集します。 とりあえず
    ### TRUETYPE FONT (Windows fonts)
    r-microsoft-mincho|MicroSoft mincho:\
            :ft=truetype:\
            :ff=/usr/local/font/truetype/msmincho:
    r-microsoft-gothic|Microsoft gothic:\
            :ft=truetype:\
            :ff=/usr/local/font/truetype/msgothic:
    

    のところの ff= のパスを /usr/share/fonts/TrueType/msmincho のように変えておけば大丈夫だと思います。 (ここは筆者の知識不足につき、フォローを歓迎します。)


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