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2. pTeX のインストール

まず TeX コンパイラ本体を作ります。ソースが大きくなってしまうので取っ てくるのが大変ですが、手元での作業は比較的簡単です。

2.1 pTeX のソース

ASCII 版 pTeX の一次配布元は ftp://ftp.ascii.co.jp/pub/TeX/ascii-ptex/ です。 ミラーサイトの情報は http://www.ascii.co.jp/pb/ptex/ から辿れるページにありますので、参考にしてください。 多量の転送を行う必要があるので、 できるだけ近いところを選ぶようにしましょう。

サイトを決めたら、そこから以下のファイルを入手します。 ftp サイトのベースディレクトリから見たときの相対パス名で与えてあります。

ptex-2.1.4.tar.gz
plib-euc.tar.gz
corresponding-sources/web-6.1.tar.gz
corresponding-sources/web2c-6.1.tar.gz
corresponding-sources/web2c.kpathsea-2.6.help
corresponding-sources/lib-6.9.tar.gz
corresponding-sources/xdvik-18f.tar.gz

xdvik-18f.tar.gz は同ディレクトリにある dvipsk や dviljk のパッケージ でも良いのですが、後でどうせ xdvi は作るのでこれが良いと思います。

2.2 pTeX ソースの展開とコンパイル

ptex-2.1.4.tar.gz の README.euc を読めばすべて書いてあるのですが、一応 step-by-step の手順を示します。

  1. lib-6.9.tar.gz、plib-euc.tar.gz を /usr/local/lib 以下に展開し ます。
    # cd /usr/local/lib
    # zcat (somewhere)/lib-6.9.tar.gz | tar xf -
    # zcat (somewhere)/plib-euc.tar.gz | tar xf -
    
  2. ソースファイルを置いたディレクトリに入り展開します。
    % zcat web-6.1.tar.gz | tar xf -
    % zcat web2c-6.1.tar.gz | tar xf -
    % zcat ptex-2.1.4.tar.gz | tar xf -
    % zcat xdvik-18f.tar.gz | tar xf -
    
    これによって web2c-6.1、 ptex-2.1.4、 xdvik-18f 各ディレクトリができま す。
  3. web2c-6.1/web2c を xdvik-18f ディレクトリに移動し、不要なディレ クトリを削除、また名前の変更を行います。
    % mv web2c-6.1/web2c xdvik-18f
    % mv xdvik-18f kpathsea-2.6
    % rm -rf web2c-6.1
    % rm -rf kpathsea-2.6/xdvik
    
  4. kpathseach のパッチをあてます。
    % cd kpathsea-2.6
    % patch -p -s < ../web2c.kpathsea-2.6.help
    
  5. 設定スクリプトを実行します。
    % cd ../ptex-2.1.4
    % ./pTeXsetup -euc
    % cd ../kpathsea-2.6
    % ./configure
    
  6. そのままコンパイルしてしまうと alloca 関数が衝突してしまうので、 kpathsea-2.6/web2c/web2c/web2c.h を変更します。具体的には最後の行
    extern void *alloca();
    

    をコメントアウトすれば良いはずです。
  7. make します。ここで ASCII の web page には、Linux では hypot 関 数が衝突するとありますが、私のところでは無事に通ってしまいました。 うまく行かない場合は kpathsea-2.6/kpathsea/MakefileCFLAGS から始まる行に、-Dhypot を追加しておけば良いと思います。
  8. 無事に make が終了したら root になって make install します。バイ ナリは /usr/local/bin にインストールされますので、ここに 2.09 のバイナリが存在する場合は適宜名前を変更しておくなりして下さい。 またこの際 TEXPK や TEXTFMPATH など、以前のパッケージで指定されていた TeX 関連の環境変数の指定は全部解除してください。そうしないとフォントや TFM ファイルが見付からない旨のエラーになります。

pTeX 2.1.4 および対応 dviware では、フォントの自動生成機能が追加されて います。このとき、新たに生成されるフォントは /usr/local/lib/texmf/fonts/tmp/以下のディレクトリに置かれるの で、このディレクトリのパーミッションは 777 にしておかないとユー ザによる書き込みができなくなります。


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