次のページ 前のページ 目次へ

1. JDK 1.0.2 のインストール

1.1 概要

Linux 用 Java Developer's Kit (以下 JDK ) を使うにあたり,あなたの linux のインストール方法によってはシステム全体にわたるいくつかの変更が 必要になります。

最近の Linux での開発では ELF と呼ばれる新しいバ イナリフォーマットが使われています。ELF は動的ローディングや共有ライブ ラリの容易な作成を可能とします。Linux 用 JDK はこれらの特徴に依存して おり,結果として,あなたのシステムは ELF バイナリのカーネルサポートお よびいくつかのサポートライブラリが必要になります。

Linux の環境は常に変化しており,時には,これらの変更によってプログラム が実行できなくなることもあります。この文書では Java アプリケーションの 実行・開発に理想的なシステム構成を示します。

1.2 ELF に関する情報

Linux 用 JDK は ELF 実行形式をサポートしたカーネルと ELF をサポートしたライブラリを必要とします。

ELF に関する詳細な情報は http://www.blackdown.org/elf/elf.htmlにある Daniel Barlow の HOWTO から得られます。

Redhat Software および Slackware は ELF 形式の Linux を配布しています。

1.3 必要な ELF ライブラリ

Linux 用 JDK の利用にはいくつかの ELF 共有ライブラリを含んだ3つのパッケー ジが必要になります。

必要なパッケージ

必要なパッケージのバージョン

libc パッケージは ftp://tsx-11.mit.edu/pub/linux/packages/GCC/ にあります。パッケー ジの名前は libc-5.x.y.bin.tar.gz のようになっていま す。

ld.so パッケージは ftp://tsx-11.mit.edu/pub/linux/packages/GCC/ にあります。パッケー ジ名は ld.so-1.x.y.tar.gz となっています。

XFree86 パッケージは ftp://tsx-11.mit.edu/pub/linux/packages/X11/ にあります。 XFree86 distribution に関する詳しい情報はそこにある README ファイルを 見てください。XFree86 はグラフィカルユーザインタフェースを持った Java アプリケーションの実行に必要です。テキスト表示のアプリケーショ ンの場合,このパッケージなしで JDK を使うこともできます ( Linux 用 JDK の入手をみてください)。

これらのパッケージの技術的な話題,プログラミング情報,インストール方法 についてはこの文書の範囲外です。

1.4 Linux 用 JDK の入手

Linux 用 Java Developer's Kit はミラーサイトにのみ置いてあります。

現時点でのミラーサイトのリストは http://www.blackdown.org/java-linux/Mirrors.html にあります。こ れらのサイトには標準アーカイブと RPM フォーマットの2つの形式のパッケージ があります。

Linux 用 JDK は GUI 機能の大半に Motif ライブラリを使っています。Motif ライブラリは商用のため, JDK は 'static'と 'shared' の形式で配布されて います。サードパーティから Motif ライブラリを購入しているならば 'shared' の方を使うことでその ELF Motif 共有ライブラリ(バージョン 2.0 のみ)を利 用できます。

注意: 'shared' 形式を使えば XFree86 をインストールせずにテキスト 表示のアプリケーションに対して JDK を利用することもできます。

Motif を持っておらず,GUI 表示のアプリケーションを動かしたい場合には 'static' バージョンの JDK を使う必要があります。

必要なファイルの選択

標準アーカイブ形式

標準アーカイブ形式のパッケージは2つに分かれています。 commonアーカイブと,Motifの利用状況に応じて sharedstaticのどちらかが必要となります。

RPM 形式

RPM 形式のパッケージは1つにまとまったアーカイブです。 sharedstatic のどちらかを選択するだけです。

RPMパッケージは/usr/local/java/にインストールされます。RPMと の一貫性を保つため,標準アーカイブの2つは/usr/local/に展開す るのがよいでしょう。

1.5 システム設定

CLASSPATH の設定

CLASSPATH 環境変数は JDK がクラスを探す場所を示すのに使われます。設定 を誤ると JDK のツールは正常に実行できません。JDK を使って何か問題が生 じたら java, javac や appletviewer を実行してみる前に CLASSPATH 変数が 設定されていないことを確認してください。

デバイス・パーミション

JDK を使う前に,/dev/zero デバイスが全ユーザから読み書き可能となって いることを確認してください。読み書き可能にするためには,次のコマン ドをスーパユーザで実行してください。

chmod 666 /dev/zero

スワップ領域

JDK は実行されると広大なメモリ領域をあらかじめ割り当てようとします。JDK に含まれるツールの実行にはスワップ領域に少なくとも20メガバイトの空きが 必要です。

1.6 問題点とバグの報告

Linux 用 JDK を使用していて,バグを発見したら chapman@wilbursoft.com または karl@blackdown.org までメール を送ってください。

バグレポートと一緒に 'ldconfig -v' の出力とインストールしているカー ネルのバージョンも送ってください。

現在までに分かっている問題点のリストは http://www.blackdown.org/java-linux/bugs.html にあります。

1.7 Further Reading

最新の HOWTO,メーリングリスト,サポートされた製品リストおよび,その 他の Java-Linux サービスは The Blackdown Organization を御覧ください。

Java の豊富な情報は JavaSoft から直接得られます。


次のページ 前のページ 目次へ